« 【復刻版】続9/11に想う | トップページ | ワンネス »

2016年10月26日 (水)

ナチュラリズムとヒューマニズムのハーモニズムの勧め

これは20年近く前に纏めたものだが、この時点では考えも未だ過激ではなく何とか日本を良い方向に持って行きたいという願望が強く出ている。
何せ最初のテーマはポストモダンのエートスを求めてというもので未だポストモダンそのものを否定していなかった。
河合隼雄氏の説も日本の全体主義、個の欠如を何とか活かそうと苦労した後が見られるがこれでは世間こそが絶対となり、今の世間こそが正義と変わらないではないの?

河合隼雄氏は前掲の「日本人の心のゆくえ」 の中で、「ネットワーク・アイデンティティー」と題してこう説明される。

「西洋近代をプロモートしてきた一神論的思考(もちろん、これは一神教と同じではない)に、日本人は縛られすぎたのではないか。このあたりで、多神論的な多様性に気づかねばならない。 このような状況を破っていくこととして、『ネットワーク・アイデンティティー』ということを考えている。私という人間は唯一の存在である。

しかし、それを支え、根づかせるものとして『唯一』のものを探そうとしない。
『私』をささえるものは『ネットワーク』である。というと、私が家族とか友人とかの関係によって支えられることか、と思があろうが、それは間違いである。
それは最初に述べたように、その人との関係の喪失によってアイデンティティーが崩れ去るものである。
ここでのべている『ネットワーク』は自分の心のなかにもつものである。 これまでに述べてきた宗教的な用語を用いるならば、『私』を支えるものを『存在者』では無く『存在』と考えるのだ。
そして、『存在』はネットワークそのものだ。すべてが複雑にからみ合っている。それは多であって一である。〈中略〉
国際化が激しい時代に、日本人として生きつつ、国際社会の一員として他国の人々と対等に生き、世界に対して何らかの貢献をしようとするためには、ネットワーク・アイデンティティーということを見出す努力をするべきであると思う。」

河合氏が「存在」はネットワークそのものであると言う「存在」の追求が、全ての宗教を超えた近代文明の下における個の在り方であり、筆者が近代文明は個から全への循環するシステムであると言う所以でもある。
「IMG_3244.JPG」をダウンロード
神道自らも「個の意識が、個の意識の集合体或いは総体としての宇宙からのフィードバックにより高まり、それが社会に反映する。」と言う様な、「ネオ・シャーマニズム」とも言うべき宇宙観を導きだし、ナチュラリズムとヒューマニズムのハーモニズムを先取りする位でないと、日本に於ける文化と文明の齟齬は取り払えないのである。

「環境破壊が深刻化するわが国で、自然と人間のコミュニケーションの問題は改めて深められなければならない。そして自然と人間とが真に交流する際には、人間が「オレ」を放棄してかかることが条件であるとのアニミスティックな、あるいはシャーマニスティックな考え方再評価される必要があろう。。それは決してトランスに入れということではない。」

宗教人類学者の佐々木宏幹氏は「神と仏と日本人」 の中でこう述べている。

それともこれを近代に求めるのは無理であり、ポスト・モダンに期待する以外に無いのかも知れない。
均質化或いは共通点を見い出す、いずれも普遍性追求姿勢から生じる。 この言葉の違いを乗り越えるだけ取り上げても共通認識というものが如何に難しいかが判る。
そもそも普遍性追求姿勢の欠如するところに共通認識を期待する方が間違っているとも言えるのである。
先ずは近代を理解する事である。

筆者が図らずも括り出した近代のキーワードは、ロジック及びそれにより導き出されるインディヴィデュアルという概念であり、日本語では「論理」及び「個人」と訳されているものである。

つまり「論」と「個」である。 その上、その「論」と「個」こそが日本人の一番不得手とするものだったのである。 前述の対談の中で、柳田國男が「私はどうも自己完成っていうものはそんなに究極の目的だと思ったことは一ぺんもないんです。」といみじくも言っている様に、「自己」或は「個人」という概念に対する認識のずれがその辺から始まっているのである。

次の表はポストモダンがヒューマニズムとナチュラリズムのハーモニズムになると仮定して、私が纏めたものです。
幸か不幸か日本は聖俗未分離のままモダンを迎え(これが真の意味でのモダンと呼べるか否かは別にして)やがてポストモダンの世の中を迎えようとしています。
「IMG_3243.JPG」をダウンロード
この表を見て頂けばお判りになると思いますが、日本は丁度東と西の中間に位置し、そのままハ-モニズムに移行するのに一番都合の良い場所に位置しているのです。
今日本に何が必要なのかと言うと、スクラップアンドビルドなのです、つまりホ-リズムから一度脱却してハーモニズムにシフトするパラダイム・シフトなのです。


« 【復刻版】続9/11に想う | トップページ | ワンネス »

日本人」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1309252/68117392

この記事へのトラックバック一覧です: ナチュラリズムとヒューマニズムのハーモニズムの勧め:

« 【復刻版】続9/11に想う | トップページ | ワンネス »